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呉田 昌俊; 秋本 肇
Nuclear Technology, 143(1), p.89 - 100, 2003/07
被引用回数:10 パーセンタイル:56.35(Nuclear Science & Technology)低減速スペクトル炉の炉心は、三角格子状の稠密な燃料棒配列であり、高ボイド率条件で運転する特徴を有する。このため冷却限界の評価が重要な課題である。そこで、低減速スペクトル炉の基礎的な限界出力特性を評価する目的で限界出力実験を実施した。本報では、質量速度等パラメータが限界出力に及ぼす影響と、熱設計に用いてきた限界出力計算式の評価結果、そして本データと準稠密バンドル体系のBAPLデータを用いて導出した新限界出力相関式に関して報告する。本実験により、稠密炉心における質量速度,入口水温,出口圧力、そして径方向熱流束比の限界出力に及ぼす影響を明らかとした。また、熱設計に用いてきた限界出力計算式(Arai式)が限界出力を過小に計算することを示した。新相関式は、371点の原研・BAPLデータに対して4.6%の誤差で軸方向に一様発熱している稠密バンドルの限界出力を計算できる。
呉田 昌俊; 秋本 肇
日本機械学会論文集,B, 69(682), p.1469 - 1476, 2003/06
低減速スペクトル炉の熱的成立性を評価する目的で、軸方向の発熱が一様な稠密三角格子バンドル試験体を用いて限界出力実験を行った。本報では、流動パラメータが限界出力へ及ぼす影響を明らかとし、限界クオリティを計算する無次元相関式を本実験データとBAPLデータを用いて導出した。用いた試験体は低減速スペクトル炉の燃料棒7本分の領域を模擬した形状であり、低減速スペクトル炉の定格運転条件を広く包含する実験条件で約400点の限界出力データを系統的に蓄積した。導出した無次元相関式の計算精度は、371点のデータに対して4.6%である。本相関式の適用範囲は、棒間間隔が12.3mm,質量速度が1002500kg/(ms),圧力が28.5MPa,周方向ピーキング係数が11.5,発熱棒数が720本である三角格子配列のバンドル流路である。
中野 佳洋; 石川 信行; 中塚 亨; 岩村 公道
JAERI-Conf 2002-012, 219 Pages, 2002/12
日本原子力研究所(原研)では、革新的原子炉として低減速スペクトル炉の研究を進めており、最新の研究成果を報告するとともに、所内関連部門の研究者及び大学,研究機関,電力会社,原子力メーカー等の所外研究者との情報交換を行い、研究の効率的推進に資する事を目的として、「低減速スペクトル炉に関する研究会」を平成9年度より毎年開催している。第5回となる平成13年度は、日本原子力学会北関東支部との共催で、平成14年3月8日に開催し、95名の参加者があった。まず原研における低減速スペクトル炉研究開発の現状として、「低減速スペクトル炉の研究開発の現状と展望」,「低減速炉心の設計研究」,「MOX燃料の安全解析」,「稠密炉心の限界熱流束実験」の4件の発表があった。続いて革新的原子炉を巡る内外の動向として、「革新的中小型炉検討の意義について」,「第4世代を中心とする革新炉技術開発戦略」,「実用化戦略調査研究フェーズ2の状況」の3件の発表があった。本報告書では、講演論文,講演に対する質疑応答の概要を掲載するとともに、付録として研究会当日に発表者が使用したOHP資料及び研究会プログラム,参加者名簿を掲載した。
呉田 昌俊
JAERI-Conf 2002-012, p.47 - 52, 2002/12
低減速スペクトル炉の除熱限界を評価する目的で実施した限界熱流束実験の結果と検討,そして除熱限界を決定する沸騰遷移現象に関して報告する。低減速スペクトル炉の炉心は、三角格子状の稠密な燃料棒配列であり高ボイド率条件で運転する特徴を有する。このため冷却限界の評価,すなわち熱的成立性の検証が重要な課題であった。一連のPWR体系及びBWR体系で実施した限界熱流束実験により、熱設計に用いてきた限界出力計算式や解析コードが保守的に評価し、炉心熱設計が妥当であることを検証した。次に、沸騰遷移現象を限界クオリティと質量速度の関係から3つの領域に分類し、壁温上昇開始位置がその領域の境界で変化することを示した。また、サブチャンネル解析コードによる実験解析の結果、高クオリティ領域では実験値と近い計算値となることを示した。最後に、中性子ラジオグラフィによるモデル実験の結果を紹介し、沸騰遷移現象の理解に関して報告する。
大久保 努; 鈴木 元衛; 岩村 公道; 竹田 練三*; 守屋 公三明*; 菅野 実*
Proceedings of International Conference on the New Frontiers of Nuclear Technology; Reactor Physics, Safety and High-Performance Computing (PHYSOR 2002) (CD-ROM), 10 Pages, 2002/10
出力300MWe程度の小型低減速スペクトル炉(RMWR)概念の検討を進めている。炉心の設計としては、1を超える高転換比達成のために、高い炉心平均ボイド率のBWR型炉概念に基づいた稠密格子燃料棒配列を導入した。同時に、負のボイド反応度係数の達成も要求され、非常に扁平な短尺炉心概念採用した。この炉心の設計は、炉心の自然循環冷却を可能とするうえでも不可欠なものである。この炉心の設計で、60GWd/tの燃焼度と24ヶ月の運転サイクルも達成可能である。システムの設計としては、自然循環冷却に加え、受動的安全機能を採用してシステムの単純化を図ることを、プラントコストを低減させる基本的な方策とした。その例として、ポンプを使用する高圧注水系を受動的な蓄圧注水系に変更して、非常用ジーゼル発電機を削減することができ効果的にコスト低減を行った。これにより関連機器のコストを20%低減出来た。また、RMWRのMOX燃料のプルトニウム富化度は約30wt%で高燃焼度となるため、燃料安全評価を実施し、先ず熱的な成立性の観点から許容範囲内であるとの結果が得られた。
大久保 努; 岩村 公道; 山本 一彦*; 岡田 祐之*
日本機械学会第8回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集, p.571 - 574, 2002/00
これまで培われてきた軽水炉技術をベースとしつつ、1を越える高転換比の達成が可能な水冷却炉である低減速スペクトル炉の概念設計研究を進めている。これまでに1以上の高転換比と負のボイド反応度係数を達成可能な炉心概念を構築するとともに、炉心性能の向上に加え、プルトニウム多重リサイクル性の検討や制御棒計画の立案等の炉心概念の詳細な検討を進めて来た。その結果、低除染再処理を想定した多重リサイクルが可能であることや、超扁平二重炉心に対しても、炉心各部の出力を安全に制御することが可能であることを確認した。
呉田 昌俊; 秋本 肇; 山本 一彦*; 岡田 祐之*
Proceedings of International Congress on Advanced Nuclear Power Plants (ICAPP) (CD-ROM), 7 Pages, 2002/00
低減速スペクトル炉の炉心は、三角格子状の稠密な燃料棒配列であり、BWR型炉は高ボイド率条件で運転する特徴を有する。このため冷却限界の評価、すなわち熱的成立性の検証が重要な課題であった。そこで、BWR型低減速炉スペクトル炉の除熱限界を評価する目的で限界熱流束実験を実施した。本報では、質量速度等パラメータが限界出力に及ぼす影響と、熱設計に用いてきた限界出力計算式の評価結果に関して報告する。本限界熱流束実験により、燃料棒間ギャップが1.0mmである稠密炉心における質量速度,入口水温,出口圧力,そして径方向熱流束比の限界クオリティに及ぼす影響が明らかとなった。また、熱設計に用いてきた限界出力計算式(Arai式)が保守的に評価し、炉心熱設計が妥当であることを検証した。
岩村 公道; 大久保 努; 与能本 泰介; 竹田 練三*; 守屋 公三明*; 菅野 実*
Proceedings of International Congress on Advanced Nuclear Power Plants (ICAPP) (CD-ROM), 8 Pages, 2002/00
日本における持続的なエネルギー供給を確保するため、低減速スペクトル炉(RMWR) に関する研究開発を進めている。RMWRは、成熟した軽水炉技術に基づいて、高燃焼度,長期サイクル,プルトニウムの多重リサイクル,ウラン資源の有効利用等の有用な特性を実現可能である。中性子の減速を抑えて転換比を向上させるために、稠密に配列されたMOX燃料棒の集合体が用いられる。燃焼度60GWd/tでサイクル長24ヶ月の自然循環冷却の330MWe小型RMWR炉心の概念設計が完了した。本炉心設計では、1.01の増殖比と負のボイド反応度係数が同時に達成されている。プラントシステムの設計では、経済性を向上させるために受動的安全機能が採用されている。現時点では、能動的及び受動的機器を組み合わせたハイブリッド型と完全受動安全型を候補として検討している。既に前者に関しては、原子炉機器のコストを下げるとの評価が得られている。
日比 宏基*; 嶋田 昭一郎*; 大久保 努; 岩村 公道; 和田 茂行*
Nuclear Engineering and Design, 210(1-3), p.9 - 19, 2001/12
被引用回数:25 パーセンタイル:84.31(Nuclear Science & Technology)1以上の転換比と負のボイド反応度係数を有するMOX燃料新型水冷却炉である低減速スペクトル炉の概念設計を行った。炉心はPWRの概念をもとにしており、重水を冷却材とし、燃料棒配列は三角稠密格子となっている。シード燃料集合体は、上下のブランケット領域に加え、中間ブランケットを有する軸方向非均質炉心で、ブランケット集合体をシード燃料集合体の間にチェッカーボード状に径方向に導入した径方向非均質炉心構成となっている。なお、径方向ブランケット領域は、シード燃料領域より短く設計されている。本研究では、この炉心により、1.06~1.11の高転換比と負のボイド反応度係数が達成できるとの結果が得られた。
大久保 努; 竹田 練三*; 岩村 公道
JAERI-Research 2001-021, 84 Pages, 2001/03
現在原研で研究を実施している低減速スペクトル炉の設計の一つとして検討が進められている高転換比BWR型炉に関しては、炉心の長さが短くかつ炉心流量が小さいことから、炉心部での圧力損失が小さく自然循環が可能な設計となっていたことに着目し、経済性の向上を主な目的として、インターナルポンプを使用しない自然循環のシステムを前提として、インターナルポンプが占めていた空間を炉心部分として使用することとして、炉心出力を1,356MWeに増加させた設計が進められた。この炉心設計を受けてそれに対する安全性を検討するために、異常な過渡変化及び事故事象のうちの主要な事象に関して解析を実施するとともに安定性の検討も実施した。その結果、安全性の観点から問題となることがないとの結果が得られた。また、その炉心設計をベースとしてさらなる改良を検討し、これまで使用することとしていたY字型制御棒に代わって単純な構造の円柱型制御棒(外径60mm程度)を用いるとともに、集合体を大型化して体数を削減し経済性の向上を狙う設計の可能性を検討した。その結果、そのような炉心の設計が、これまでに設計されたY字型制御棒を使用した炉心と同様な炉心性能を有する範囲で成立可能であるとの結果が得られた。
岩村 公道; 落合 政昭
Proceedings of 1st Asian Specialist Meeting of Future Small-Sized LWR Development, p.7_1 - 7_9, 2001/00
原研では、持続可能性,エネルギー利用の多様化等の革新的原子炉の目的を達成するため、2種類の中小型軽水炉の研究開発を実施中である。一つは、受動安全性を具備した低減速スペクトル炉で、炉心は中性子の減速を抑えるためMOX燃料稠密炉心から構成され、電気出力は330MW,運転サイクル26ヶ月,転換比1.01,負のボイド反応度係数,60GWd/tの燃焼度を達成した。もうひとつは地域熱供給や海水脱塩等を目指した分散型小型炉で、改良舶用炉MRXをバージに搭載して熱と電気の供給を行う設計と、需要地の地下に立地して熱供給を行う小型炉の設計を実施した。
大久保 努; 岩村 公道; 秋本 肇; 新谷 文将; 大貫 晃; 山本 一彦*
第7回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集 (00-11), p.250 - 253, 2000/11
将来型原子概念の一つとして、これまで培われてきた軽水炉技術をベースとしつつ、それを大幅に高度化した将来型水冷却炉である低減速スペクトル炉(RMWR)の検討を進めている。具体的には、ウラン/プルトニウム資源の有効利用による長期的エネルギー供給等を目指し、水冷却炉でありながら高速増殖炉の性能に迫る概念を検討している。これまでに、1以上の転換比と負のボイド反応度係数を有するいくつかの炉心概念を創出し、その詳細化を進めてきた。本報では、これらの研究の内容に関し、熱水力学的な検討を主として述べる。RMWRにおける熱水力学的な課題として、稠密な燃料棒配列の炉心における限界熱流束があり、これまで不足していた領域における実験データの取得とともに、それを用いた設計の評価を進め、定格運転時及び異常時に対して設計の妥当性の確認を行っている。
将来型炉研究グループ; 炉物理研究グループ; 熱流体研究グループ
JAERI-Research 2000-035, 316 Pages, 2000/09
原研と原電は、低減速スペクトル炉心に関する主要な特性を評価するとともに同炉心に関する基礎基盤的研究を実施することを目的に、平成10年度より共同研究「低減速スペクトル炉心の研究」を開始、平成11年度に第1フェーズの研究を終了した。炉心概念の検討では、高転換比、長期サイクル運転あるいはプルトニウムの多重リサイクルが可能な炉心として、BMW型炉心3炉心、PWR型2炉心の概念を構築した。核計算手法の研究では、モジュラー型核熱結合炉心解析コードシステムの開発、及びモンテカルロ摂動計算手法の高精度化を行った。熱水力設計手法の研究では、炉心の熱工学的成立性を評価した。また、臨界実験の予備調査として、燃料棒本数、プルトニウム富化度等の概略値を求めるとともに、実験施設の改造方法を検討した。
嶋田 昭一郎*; 秋江 拓志; 須崎 武則; 大久保 努; 碓井 修二*; 白川 利久*; 岩村 公道; 久語 輝彦; 石川 信行
JAERI-Research 2000-026, 74 Pages, 2000/06
原研では軽水炉技術高度化研究の一環として、ウラン資源の有効利用、プルトニウムの多重サイクル、及び高燃焼度・長期サイクル運転等の広範囲なニーズに対応するため、軽水炉型低減速スペクトル炉を今後のエネルギーシステムの中核と位置づけて研究開発を進めている。低減速スペクトル炉は現在、概念の想像段階にあるが、今後はその成立性につき確認する必要がある。成立性の条件として、まず核設計上の2つの重要な設計要求である、転換比が1.0以上、ボイド係数が負という条件を臨界実験等によって確認する必要がある。そこで、これまでに諸外国及び原研で行われた低減速スペクトル炉に有効と考えられる実験についてレビューし、現在使用可能なデータはほとんど存在せず、新たな臨界実験の必要性を確認して、原研のTCA臨界実験装置を用いたMOX臨界実験を計画した。TCAはタンク型の軽水臨界実験装置である。低減速スペクトル炉の臨界実験のためにはMOX燃料を用意する必要があり、さらにMOX燃料使用のため実験装置の改良が必要である。本レポートは臨界実験の概略計画を立て、予備解析を行い臨界実験に必要なMOX燃料棒数と種類の概略値を求め、またMOX燃料を使用する実験方法について考察して、必要な実験施設の変更に関して検討したものである。
石川 信行; 中塚 亨; 岩村 公道
JAERI-Conf 2000-010, 267 Pages, 2000/06
原研が将来型水冷却炉として研究を進めている低減速スペクトル炉について、所内外の研究者との情報交換を行うことを目的として、「第3回低減速スペクトル炉に関する研究会」を平成12年3月3日に開催した。本報告書は、その研究会における発表・討論の内容を取りまとめたものである。発表内容は以下のとおりである。(1)低減速スペクトル炉を巡る最近の情勢。(2)プルサーマル計画について。(3)実用化戦略調査研究について。(4)低減速スペクトル炉の設計研究の進展。(5)発電炉・燃料サイクルの長期シナリオと低減速スペクトル炉の導入効果。(6)熱流動実験・解析研究。(7)炉物理実験計画。最後に、低減速スペクトル炉の研究開発に関しての総合討論を行った。
立松 研二; 佐藤 治; 田中 洋司*
JAERI-Research 2000-025, 74 Pages, 2000/05
我が国の長期原子力発電システムに低減速スペクトル炉を導入した場合の影響を、ウラン資源の有効利用の視点から評価した。分析においては、炉型の組み合わせと前提条件の異なる多数のケースを設定し、多様な条件下で低減速スペクトル炉の導入効果を検討するとともに、低減速スペクトル炉の炉心特性と天然ウラン消費量の関係を検討した。その結果、低減速スペクトル炉のプルトニウム所要量と転換比が天然ウラン消費量に大きな影響を与えること、原子力発電規模の伸びが小さい場合には控えめな性能の低減速スペクトル炉でも天然ウラン消費量を低い水準に抑制できるが、多様な将来条件の下で低減速スペクトル炉をFBRの本格的な代替技術として利用するためには、プルトニウム所要量と転換比の改善が必要であることなどが明らかになった。
吉田 啓之; 大貫 晃; 秋本 肇
JAERI-Tech 2000-024, p.31 - 0, 2000/03
低減速スペクトル水冷却炉では従来よりも燃料棒間ギャップが狭く、発熱量の異なる領域を炉内に含む。本研究では、高転換比PWR型炉心(熱出力2900MWt,燃料棒間ギャップ1mm)についての熱水力解析を行い、成立性について検討を行った。本炉心ではシード及びブランケット燃料集合体の発熱量が大きく異なり、炉内で冷却材が沸騰する懸念があるため、各集合体にチャンネルボックスを設け流量を調整することにした。サブチャンネル解析コードCOBRA-IV-IとKfK限界熱流束相関式を用いて解析を行ったところ、ブランケット燃料集合体のみにチャンネルボックスを設けて流量を40%に制限し、シード燃料集合体への流量を増加させると、冷却材が沸騰することなく炉内の冷却が達成できることを確認した。
岩村 公道
原子力eye, 46(1), p.19 - 23, 2000/00
日本原子力研究所では、エネルギーの長期的確保を図るため、ウラン資源の有効利用、高燃焼度・長期サイクル運転、及びプルトニウム多重リサイクル等の広範囲なニーズに柔軟に対応できる将来型軽水炉である低減速スペクトル炉の研究開発を進めている。低減速スペクトル炉は、中性子エネルギーを現行軽水炉より高くすることで転換比を増大させている。炉心設計においては、転換比の増大とともにボイド反応度係数を負とするため、燃料格子の稠密化、炉心の扁平化、ブランケットの活用、ストリーミング効果等のアイデアを組み合わせて、最適な炉心概念の創出を目指している。これまでBWRとして、高転換比炉心、長期サイクル型炉心、ブランケット無し単純炉心を、PWRとして、プルトニウム多重リサイクル型炉心の概念を創出した。本炉を実現するためには、今後炉物理研究、熱流動研究、実証試験計画等の検討を進める必要がある。
大久保 努; 新谷 文将
Proceedings of International Workshop on Current Status and Future Directions in Boiling Heat Transfer and Two-Phase Flow, p.177 - 181, 2000/00
稠密格子燃料棒配列で構成される新型の水冷却炉である低減速スペクトル炉の設計においては、そのような稠密格子配列における限界熱流束に対する評価手法を検証することが必要である。しかし、このような稠密格子配列における限界熱流速データは十分とは言えないことから、PWRと同じ運転圧力条件である15.5MPaの高圧力下において限界熱流束実験を実施している。本実験では、外径9.5mmの発熱棒7本を用いて、発熱棒間の間隔が0.6,1.0及び1.5mmのケースに対して実験を行っている。本報では、これらの実験の結果及びそれに対する検討を示す。また、既存の相関式とサブチャンネル解析で得られた局所流動条件を用いた評価と実験データとの比較を示す。